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3 結 論 |
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以上の繰り返し加力試験により、つぎのことが明らかになった。 |
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耐震補強金物 「 耐震王3軸 」 を使用した耐震壁の一方向静的加力実験の結果によると、変形角が1/ |
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120rad. の時の割線剛度は、公庫仕様の耐震壁に比較して 1.6倍、最大強度は 1389kgf. であった。 |
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一方、繰り返し加力試験の結果によると割線剛度は同一、最大耐力は 1.5倍であり、エネルギー吸収量は |
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( 最大強度と輪郭線で囲まれる面積 ) も公庫仕様と比較して著しく大きい。以上のことから耐震金物 |
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「耐震王3軸 」 を軸組工法に使用することにより、地震時の耐震性能が著しく向上することが証明された。 |
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5 |
考 察 |
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在来工法における筋交い併用の壁倍率は、冷46、建告1100によると、筋交いが 45mm x
90mm 断面 |
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のたすき掛けの場合 4 であるが ( 本実験では、45mm x 105mm を使用)、本実験で同様の試験を |
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行った結果 ( TKX−L ) は 2.4 の値となり、過大評価をされているとの結果となった。それに比較して |
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新たに考案された耐震補強金物 「 耐震王3軸 」 は、条件の厳しい繰り返し試験において 1/120rad. |
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時の水平力は1000kgfで、壁倍率は5.7を示した。 さらに図6 (b) に示した履歴曲線によると試験体の |
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変位ループ増分に対しての剛性低下が低く、かつ履歴曲線の輪郭面積が大きく、靱性に富んだ信頼性の高い |
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補強方法といえる。 |
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在来軸組工法 「 耐震王3軸 」 耐震壁と補強ツーバイフォー(角補強金物)を用いた耐震壁との強度比較 |
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カナダブリティッシュコロンビア大学で開発されたツーバイフォーパネルコーナー補強金物「アンティラッカー」 |
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(データーによれば通常のツーバイフォーパネルに比較して2倍以上の耐震性能を実現) の使用データー |
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に比較して、在来工法に今回開発された補強金物「 耐震王3軸 」たすき掛け筋交いを使用した耐震壁は、 |
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今回の繰り返し加力試験のデーターで比較すると、耐震壁の高さ、変位における加圧サイクル、垂直加重の |
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違いがあるものの、補強ツーバイフォーの同等かそれ以上の性能を有していることが実証された。 |
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このことは、軸組工法の耐震壁が飛躍的に向上したことを意味する。 |