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「SANJIKU」 |
■この金物は、中部大学建築学科片岡研究室で、アクチュエーターを使用して耐力壁試験(1方向静的加力試験、繰り返し加力試験)を実施いたしました。「SANJIKU」取り付け軸組工法耐力壁と公庫仕様の耐力壁との耐震性、耐風性強度を比較・検証した補強接合金物であります。実験におきましては、『耐震王SANJIKU』使用耐力壁は、筋交いの応力による座屈及びコナ−からの外れ等はなく、変位に対する抵抗力・エネルギー吸収量が大きく、従来にない履歴曲線を示しました。
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耐震壁強度試験結果
および考察要約 |
■『耐震王三軸』に筋交い(40x105)のたすき掛けを使用した耐震壁の繰り返し加力試験に於いて、1/120rad時の水平力は1000kgf壁倍率は5.7を示した。最大耐力は1900kgfで、公庫仕様の耐力壁(筋交プレート、筋交い(40x105)たすき掛け)の最大耐力1300kgfの1.5倍を示す。また、輪郭線で囲まれる面積(エネルギー吸収量)は、公庫仕様の2.5倍であった。以上の実験数値から、耐震壁に『耐震王三軸』を用いることにより地震時の耐震性能は、著しく向上することが証明された。
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■また同時に行った繰り返し加力試験デ−タ比較において、ツ−バイフォ−の壁量を2.5〜3.0倍にするカナダで開発された補強金物使用ツ−バイフォ−耐震壁と比較して、在来工法に今回開発された補強金物『耐震王三軸』でたすき掛け筋交いを使用した耐震壁は、今回の繰り返し加力試験のデ−タで比較すると、耐震壁の高さ(日本の基準のほうが高い)、垂直荷重(カナダは荷重をかけているのに対し、無荷重)、変位に於ける加圧サイクルの違いがあるものの、補強ツ−バイフォ−と同等か、それ以上の性能を有していることが実証された。
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■このことは、軸組工法の耐震壁が飛躍的に向上したことを意味する。との評価を受けました。軸組工法自体の構造強度を大きく変える耐震補強金物『耐震王SANJIKU』の従来の金物との大きな違いは、
軸組工法と木材の特性(剛性・靭性)を生かし,3方向1体固定と面固定方式で張耐力の活用を可能にし、突き上げによ
る躯体破壊の危険性の少ない,大きな粘りと剛性を持つ壁面で、軸組工法の躯体自体に大きな耐震性を持たせた点にあります。
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■最後の棟梁といわれた西岡氏が「筋交いは100害あって一利なし」といわれた所以は、この筋交いの突き上げによる構造破壊であります。実験と違い実際の地震の際には大きな衝撃力となって躯体に応力が働き,断面の大きな筋交いは、躯体の破壊の危険性があることを示唆されたものと思います。木材の張力を活用することは,その点で大きな意味があります。引っ張り耐力を活用することは,破壊を防ぐことでもあるからです。すなわち、軸組工法の揺れてエネルギーを吸収する大きな粘り(靭性)を生かすことにもなります。又「SANJIKU」と併用する木材の筋交いは,圧縮,引っ張り双方に働き,接合部にかかる集中応力を分散します。鉄筋等の筋交いを使用した場合と接合部の負担が大きく異なります。この複合効果が、軸組工法をツ−バイフォ−以上の耐震性能にするのです。
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■「SANJIKU」は、施工方法が簡単で、安定した補強工法でもあります。取り付けることで破壊の危険性の少ない大きな強度が出ますので、少ない壁面で耐震構造に必要な耐震壁の配置がたやすく計画できます。新築時はもちろんのこと特に既存住宅補強にお薦めします。
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