展示会報告 2012/2/3


 1月19日〜21日までの3日間、新宿西口での耐震展示会には、連日非常に寒い日々でしたが、多くの方々に御来展いただき誠にありがとうございました。
 皆様のご意見を参考にして、今後も皆様の為の耐震補強を進めてまいりたいと思います。



東京都主催 2012年1月展示会@西新宿イベントコーナー

 東日本大震災から間もなく一年を迎えようとしています。今回の展示会場は宣伝が広くされたこともあり、耐震関係者や住まいの耐震を真剣にお考えの皆さんが多かったように思います。私共は今まで展示会で、耐震補強は評点1.5倍以上の耐震性と補強効果の確認が必要で、そのシステムとして動的診断を活用した予想地震に安全域・精確な補強効果の確認できる耐震改修を紹介してきました。そして昨年3.11東日本大震災、しかしその後も耐震基準程度の補強が多いのが実情です。この補強では予想地震で倒壊なのです。
 現在の耐震補強の耐震評点は、震度6弱程度の地震から「倒壊による圧死を防ぐ」耐震性です。東日本大震災の被害報告では、木造に影響が少ない震度6弱の長周期の揺れであったにも関わらず、補強済み木造の多くが全半壊、5月の余震で全壊しています。一方倒壊判定の木造が残り大きな問題ともなりました。この現状に、地域の補強関係者は耐震診断・耐震補強ソフトは信用が出来ないと話していました。しかし、補強評価は 評点1.0〜1.5はやや危険 なのです。評点1.0程度の補強であれば、震度6弱での全壊の危険性は大きいといえ、この被害は当然とも言えます。又、実際の補強強度が確認しないのが現在の耐震補強。阪神大震災後、欠陥補強が続出し大きな社会問題となりましたが、実際の補強効果の確認が無ければ、程度の差はあれ同様の問題は毎回出てくると思います。
 以前より、現行基準の1.5倍以下の木造は倒壊するとの見解もあるのに、今も基準程度の耐震補強が続けられている現状にどこか矛盾を感じます。実際に予想地震が震度6弱以上の地域は多く、その地域では1.5倍の補強でも倒壊です。東海・首都直下型などの大地震が発生したら、阪神大震災と同様に多くの圧死を招くことになりますが、木造は震災後も既にこの基準で多くの新築・耐震補強をしているのです。その責任は一体誰がとるのでしょうか?今後は少なくとも自分の命と財産を守る為に耐震補強の正しい知識を知り、適切な対策をすることが重要です。それが、2.0倍以上の耐震性と実際の補強効果の確認なのです。
 しかし、この基準を満たす安価・簡便な耐震改修工法は余りありません。今まで倒壊を防ぐとする工法は多いのですが、耐震強度を向上させる補強工法は少ないのです。それが補強効果確認をされていなかった理由ともいえます。
 木造の構造自体を地震に強い構造に変える補強工法を研究し、木造の欠点を改善、補強強度を飛躍的に向上させたのが「SANJIKU靭性耐震工法」です。詳しくは、ホームページでご覧ください。

 弊社が、以前より危険性を指摘していました1981年以降の木造住宅の83%が危険に達するとやっと公表されました。国民にはもっと早期に公表するべきであったのではないかと思います。又、この公表から如何に多くの最低基準の耐震性しかない木造住宅を造ってきたかということを知っていただきたいと思います。木造が弱いのではなく、弱い木造を造り続けて来たと言うことなのです。住まいの基本が耐久性であることを皆忘れ、売れる商品が良い商品として住まいも商品化、価格と外見重視の結果でもあります。
 今回の宮城県の建物被害について記しましたが、本来堅牢な木造でさらに昨今地震対策が進んでいた地域であることを考慮しますと、同程度の地震が関東・東海地区で発生していたら倒壊など今回以上の甚大な被害を招くことは容易に想像できます。今回の地震は、耐震工法の効果も明らかになったもの多くあり、今後個々の補強工法の検証を進めて、より安全な耐震改修を進めていく必要があります。昨今、関東地区の地震発生確率が高くなり、大地震の発生は確実に迫っています。残された時間はそれほど多くありません。耐震補強は、国民の生命と財産に関する重大な問題です。

 今回の東日本大震災の経験を生かして国民の英知を集積し、少しでも人的被害を軽減するために、早急に、本当の大地震に負けない耐震補強のシステムを構築する必要があると思います。




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